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by anche-io
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Modàの「Quello che non ti ho detto (scusami...) 」
 昨今活躍しているイタリアのグループ歌手といえば、しゅがーふりー とか ねぐらまーろとか色々いますが、そのほとんどが曲でも人でも自分の興味を引かないため、このblogで取り上げることはほとんどありませんでした。

 しかし、久々にナイスなビデオクリップを排出したのが、そんなバンドの中の一つModà(もだー)だったので驚きました。
 Modàは男性5人組の若手バンドで、2005年の第55回サンレモ音楽祭に、I giovani(ヤング)として出場し、「Riesci a innamorarmi(りえーし・あ・いんなもらるみ)」を歌っています。Radio Italia TVでも数曲、ライブ映像やビデオクリップが流れていたので、バンドの名前は知っていましたが、冒頭の通り、何の興味も引かれませんでした。曲のタイトル見ても、どんな曲だかすら思い出せない程度です。

 そんな彼らの新曲、「Quello che non ti ho detto (scusami...) (くうぇっり・け・のん・てぃ・お・でっと(すくーざみ…))」のリリースに合わせて作成された衝撃の(?)ビデオクリップの内容はこんな感じです。

***

 ビデオはモダ夫(Modàのヴォーカル)とジョカノ(←ギョーカイジンぶってみました☆)が別れる場面から始まります。緑の多い公園のようなところに止めたバイクの傍らで、実に情けない表情でうなだれるモダ夫。ちょっとパンク系の姉さんは、とげとげしい顔で時折モダ夫を振り返りながら、彼の元を離れていきます。モダ夫はビデオの中でもミュージシャンっぽいので、彼女も音楽系なのかな?

 そして数年(?)が過ぎ…。(画面にそんな感じの文字が出ますが、よく読めません)

 どこかの道で、タイヤの不具合が起きたらしい赤いポルシェが立ち往生していて、車の持ち主であるハイソな金髪のお兄ちゃんが、道ゆくバイクのあんちゃんを呼び止め、助けを求めました。
 そのバイクのあんちゃんこそ、数年後のモダ夫。モダ夫がタイヤのところで修理をしていると、車の助手席には彼の姿を複雑な表情で見つめる女性がいました。なんとモダ夫の元カノではありませんか!! 新しい男に合わせて、今やスリップドレス姿のエレガント系になっています。元カノはモダ夫のもとへ、何やら紙切れをそっと落とします。それに気づいてひらうモダ夫。

 修理が終わったモダ夫に、金髪の兄ちゃんは無理やりお駄賃をにぎらせ、携帯電話をかけながらポルシェに乗りこみ、去っていきます。元カノのメモを広げるモダ夫。

 ポルシェで大豪邸に帰った金髪兄ちゃんと元カノ。あなたの思い通りにしてるのなんか嫌なのよ!といった感じで、元カノは大変機嫌が悪そうです。兄ちゃんの手をふりほどいて家に戻ります。
 しかしこの豪邸では、金髪兄ちゃんがルールブックです。元カノを追う際、庭師(Modàのメンバー ヒゲの男)が植えている花をぐしゃっと踏みつぶしても、庭師に反抗することなぞ許されません。
 金髪兄ちゃんも機嫌が悪くなり、家の召使い(Modàの他のメンバー)が用意した飲み物も「こんなまずい物作りやがって!」と乱暴にグラスをお盆にたたきつけます。

 そんな頃、元カノからのメモを片手に、馬小屋の片隅みたいなところで(たぶん)作詞活動に励むモダ夫。元カノはおそらく、メモに携帯のメルアドを書いて落としたのでしょう。モダ夫は思い切って、携帯を操作します。

 豪邸のテラスで、モダ夫からの連絡に気が付く元カノ。携帯を眺めて、幸せそうに微笑みます。しかし、ふと見ると、大きな窓のカーテンを開けて、金髪のお兄ちゃんが自分を監視していたではありませんか!!

 食事の時間になり、ドレスアップした元カノはテーブルに着きます。長い長方形の向こうの端には、金髪のお兄ちゃんが座っています。食事の準備をする召使いたち(Modàのメンバー)ですが、またもやお兄ちゃんに八つ当たりされます。そんなキレやすい兄ちゃんに我慢の限界の元カノ。そして兄ちゃん、今度は元カノにも当たります。なんだおまえ、さっき誰かと携帯で連絡とりあってただろ!! こんなものこうしてやる! と、兄ちゃんはダイニングルームの窓から、テーブルの上にあった元カノの携帯を取り上げ、放り投げました。こんな生活、もうイヤ!! と、ダイニングルームを飛び出す元カノ。

 邸宅を飛び出しても、庭に出る前に大きな鉄格子状の門があり、それ以上は外へ行けません。そこで携帯を拾う元カノ。そこにまたモダ夫からメールが来ていたのか、携帯を見て安堵しました。そんな様子を、門の外側から見ていたヒゲの庭師(何度も書きますがModa`のメンバー。でもハマリ過ぎ)。門の出入り口を開けて、元カノに向かってくいっと顎を動かして見せました。「出なよ!」と。

 ダイニングにいた金髪の兄ちゃんに、黒いスリップドレスの元カノが豪邸の庭を走って行くのが見えました。「何で外に出られたんだ? 追え! 逃がすな!!」と傍らの側近(おきまりの黒服サングラス)に命じるお兄ちゃん。

 鳥かごの中の生活から解き放たれようとする元カノは、活き活きとした表情で広い庭を走っていきます。敷地を囲む高い塀まで来ると、何と金髪兄ちゃんに雇われていた召使いたち(またまた書きますがModàのメンバー)が集まり、元カノに手招きします。召使いたちが人間足場を組み、元カノは塀を乗り越え、塀の外に止めてあったトラックの荷台に降ります。荷台には白い布がかけてあり、それをめくるとそこに隠れていたのはモダ夫!!
二人はにっこりと微笑み合って布の下に隠れました。

 ちょうどそこに、金髪兄ちゃんと側近たちが門から飛び出してきます。そしてトラックの運転手に「女が来なかったか!?」と聞くと、「あっちへ走っていっただよ」と指差す運ちゃん、というおきまりのパターン。
 運転席に乗り込んだ運ちゃんは、荷台の二人と顔を見合わせて、トラックは金髪兄ちゃんたちの後をゆっくりと走り出したのでした。

 元カノを発見できずに戻ってきた兄ちゃんとすれ違って、豪邸から出て行こうとする人がいました。召使いたちと庭師です。給仕用のエプロンを取って金髪兄ちゃんに投げつけて、豪邸を出て行ってしまいました。

***

 短いビデオクリップで色々なことを表現しようと思ったら、設定は"よくある""ベタな"ものにならざるを得ないのでしょうが、"金持ち男→性格悪い→最後は負ける"っていうのが、ありきたり過ぎる設定で笑えます。「『タイタニック』のキャルみたいな」って言えば、もう説明が終わってしまいます。(『タイタニック』を観たことがある人には。)

 まあ、金持ち男は許せるのですが、全然納得がいかないのが元カノ。
 あんた、自分で決めてモダ夫と分かれて、その後自分で選んで金髪兄ちゃんと付き合ってたんだろうに、その生活に不満があるようになったらモダ夫の元にとんぼ返りとは。こっちは"『タイタニック』のローズみたい"とは言えません。ローズは枯れかけた名家に生まれて、その家を守るためにキャルと結婚させられることになったっていう、生まれた時から重荷を背負わされていたのです。ローズがそこから逃げ出してジャックの元に走っていったのとは次元が違うと思います。どんなに高価な車があったって、きれいな洋服があったって、私はこんな押しつけられた生活いやなの!と元カノにいくら言われたところで、全然同調できません。それで"清貧"(モダ夫)をよしって言われても、全然説得力がありません。

 しかし、そんな女の設定ミスを補って余りあるのがモダ夫の情けな顔&切な声! バリバリ下がり眉で「すくぅざみぃぃぃぃ」とドアップで画面に現れ、悲痛に歌います。
 そして、Le vibrazioni(れ・う゛ぃぶらつぃおーに)やGemelli diversi(じぇめっり・でぃう゛ぇるすぃ)のビデオクリップを彷彿とさせる、バンドメンバーが勢揃いでの小芝居!! こういう、曲を歌ったり弾いたりしている人たちが、自ら出演して芝居まで見せてくれるビデオ、私は大好きです。

 
 Modàのオフィシャルサイトでは、このビデオクリップの作成現場の写真を観ることが出来ます。豪邸の緑の美しさ、そして庭師になったメンバーのハマリ具合を是非ご覧になってみてください。

 あ、最後に、モダ夫はFrancesco "Kekko" Silvestre(ふらんちぇすこ・"けっこ"・すぃるう゛ぇすとぅれ)という名だそうです。checcoじゃなくてカッパ(K)使って、外国風に気取ってやがるゼ。
 ミスター庭師は、Matteo "Tino" Alberti(まってーお・"てぃの"・あるべるてぃ)でアコースティックギター担当。ちょっとSimone(すぃもーね)に似た感じのDiego Arrigoni(でぃえご・あっりごーに)はエレクトリックギター担当。残る二人は、召使い焼くが若干浮いてました。
 なお、上のリンクから見られる写真でも分かるように、金髪の兄ちゃんはなかなかのイケメンです(はぁと)。 
by anche-io | 2006-07-07 00:53 | ビデオクリップ
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